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Research

ここでは本研究室で過去に行っていたプロジェクトを紹介しています。
最新の研究内容を詳しく知りたい場合は論文リストを参考にしてください.


DCB試験などを用いた接合部の破壊じん性測定 [担当:関口]

car 多くの接着剤は高分子を主としており,粘弾性体として取り扱う必要がある.そのため,接着剤の強度を議論する際にも速度依存に関する評価が重要となる.接着剤の破壊を議論する上で重要なパラメータである限界エネルギー解放率(G_IC)の速度依存性を調査するため,一般的な万能試験機を用いたDCB試験だけではなく落錘型高速DCB試験装置、クリープDCB試験装置を製作するなど幅広い試験速度での実験を行っている.
<DCB試験の動画(1/10スロー再生)>


<落錘型高速DCB試験の動画(1/600スロー再生)>


破壊じん性に関連する論文
接着剤の特性による違い
  • 「特性の異なる接着剤を用いた接着接合部の準静的および動的負荷下における破壊エネルギー」 関口ら,日本接着学会誌
  • 「ポリウレタン接着剤で接着接合されたDCB試験片のモードI破壊エネルギーに関する実験的検討」 関口ら,The Journal of Adhesion
  • 「接着DCB試験における弾塑性変形を考慮した接着層の変形の解析」 関口ら,The Journal of Adhesion

  • 試験速度の影響
  • 「動的負荷下での接着接合部モードI破壊エネルギーの実験的検討」 山形ら,Applied Adhesion Science
  • 「接着厚さが構造用アクリル系接着剤の破壊形態に及ぼす影響に関する様々な負荷速度での実験的調査」 関口ら,International Journal of Adhesion and Adhesives
  • 「構造用アクリル系接着剤のモードI破壊じん性に及ぼす温度と負荷速度の影響」林ら,Journal of Advanced Joining Processes

  • 特殊な試験片/試験方法
  • 「残留応力がある接着接合部の混合モード破壊エネルギー」島本ら,International Journal of Solids and Structures
  • 「DCB試験における被着体の塑性変形を回避する接着破壊エネルギー測定手法の検討」小松ら,The Journal of Adhesion
  • 「くさび開口型ダブルカンチレバー試験の破壊エネルギー計測」 池田ら,The Journal of Adhesion

  • 疲労き裂進展
  • 「構造用アクリル系接着剤の疲労き裂進展に及ぼす接着厚さの影響」関口ら,Materials
  • 「アクリル系構造用接着剤で接合された接合部の疲労き裂進展に関する2変数解析」 関口ら,Fatigue & Fracture of Engineering Materials & Structures
  • 「様々な荷重条件下での定振幅荷重制御下における延性構造用アクリル接着剤の疲労き裂成長解析」 関口ら,International Journal of Adhesion and Adhesives

  • クリープ
  • 「バネ負荷式DCB試験法を用いたエポキシ系接着剤の温水浸漬下でのクリープき裂進展挙動」 中村ら,Materials


  • 接着接合部の水に関連した研究 [担当:関口,佐藤]

    car 接着剤は一般的に樹脂であるため,接着接合部への水分の侵入は避けられない.また,接着接合部には界面が存在するため,水分が界面に及ぼす影響を評価することは,信頼性を考える上で重要である.そのため,接着接合部の水に関連した様々な研究に取り組んでいる.
    近赤外分光を用いた接着層の水分可視化技術
  • 「近赤外分光法を用いた接着剤層水分布の測定」ハンら,Journal of Applied Polymer Science
  • 「近赤外分光法を用いた接着剤層内の水分分布からの接着剤の拡散係数の直接測定」ハンら,ACS Applied Materials & Interfaces
  • 「近赤外分光法を用いたさまざまな接着条件下での接着層への水分浸透の実験的調査」ハンら,International Journal of Adhesion and Adhesives

  • シミュレーションによる水分拡散の予測
  • 「急速な界面水分浸透が接着層内の水分分布に与える影響」ハンら,Materials Letters

  • き裂進展に水が及ぼす影響
  • 「バネ負荷式DCB試験法を用いたエポキシ系接着剤の温水浸漬下でのクリープき裂進展挙動」中村ら,Materials

  • 吸水によるせん断強度低下
  • 「吸湿後の接着接合部の強度の確率分布を評価するハイスループット技術」Kangら,The Journal of Adhesion

  • プラスチックの水分拡散
  • 「100℃以上の温度における水蒸気透過率の測定」飯塚ら,The Journal of Adhesion
  • 「水分拡散係数の短時間測定」飯塚ら,日本接着学会誌


  • SGA接着剤の傾斜塗布 [担当:佐藤,関口]

    car 接着接合は面接合であるため応力分散し,高強度接合を実現している.しかしながら,端部の応力集中が強度低下の一因になっている(下図参照).応力集中を回避する方法の一つとして有力視されているのが傾斜塗布という手法である.端部に柔らかい接着剤,中央部に高強度の接着剤を用いることによって,応力集中を抑制するとともに高強度の接合が実現できる可能性がある.第2世代アクリル系構造用接着剤(SGA)による物性傾斜装置の開発や,傾斜塗布された接合部の強度評価などを行っている.
    <重ね合わせ接手の端部応力集中の様子:デジタル画像相関法(DIC)による計測>
    car

    傾斜塗布に関連する論文
  • 「せん断試験およびせん断低サイクル試験による第2世代アクリル系接着剤を使った傾斜接着重ね合わせ継手強度の実験的検討」 関口ら, International Journal of Adhesion and Adhesives
  • 「ヤング率の異なる2液アクリル系接着剤による物性傾斜接着継手の塗布手法の開発」中野内ら,The Journal of Adhesion
  • 「2種類の2液型第二世代アクリル系接着剤を使ったハネムーン接着による物性傾斜機能継手」 川崎ら,The Journal of Adhesion
  • 「第二世代アクリル系接着剤を用いて製作した接着層塗り分け継手のひずみ及び応力分布の評価」 川崎ら,日本接着学会誌


  • 生物の優れた機能に着目した可逆凝着デバイスの開発 [担当:関口]

    car 進化の過程で獲得した生物の機能はときに人間が創りだすものよりも優れている.ヤモリの手足は分子間力による可逆な着脱を実現する優れた機能を備え持ち,可逆接合の新たな可能性を示している.ヤモリの微細毛構造の理解とデバイスへの応用により,新たな接合技術の可能性を検討した.

    <ヤモリ模倣デバイスによるマニピュレーション動画>


    1st ver. 初号機.


    2nd ver. 傾斜梁による確実なマニピュレートの実現


    3rd ver. 小型化・一体化による超軽量物体の確実な脱離実現.


    接着剤の硬化過程における収縮と残留応力発生メカニズム [担当:佐藤,関口]

    car 接着剤は硬化時の大幅な収縮により接着剤層に大きな残留応力が発生するといわれ、その影響は無視できない。硬化収縮や残留応力を実験的に調べる手法の検討や、シミュレーションに取り組んでいる.

    熱膨張性マイクロカプセル混入解体性接着剤 [担当:佐藤]

    car 資源リサイクルの観点からはがせる接着剤:いわゆる解体性接着剤の開発が望まれている。本研究では熱膨張性マイクロカプセルをエポキシ樹脂に混入した、全く新しい解体性接着剤を開発した。